福岡縣新宮濱に於ける砂丘植物群落とその土壌要素との關係
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概要
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1) 新宮濱の砂丘植物群落は高潮線より僅々200米内外の間に明かに異つた三つの帶状群落を區別することが出來る。2) 第一は前砂丘植物群落であり, 第二は梢中生的傾向のある好砂砂丘植物群落で, 第三はクロマツを主とする砂丘林である。3) 砂層内の鹽分はその採集地點が内方に向ふにつれて急減し, 高潮線よりの距離と含鹽量との關係は雙曲線型曲線で表はすことが出來るものの如くである。4) それぞれの群落の生育地砂層内の鹽分分布には特有の型があり, 前砂丘植物群落では地表・地下共に鹽分濃度高く, 梢中生的傾向を持つ好砂砂丘植物群落では地表は鹽分濃度は地表下含度に比し割合に大である。砂丘林の部分では地表・地下共に低濃度で植物群落の區分と土壤に於ける含鹽状態區分とは大體一致を認めることが出來た。5) 土壤の酸度によつても大體鹽分によつたと同樣の三區分が出來る樣である。6) 隨つて土壤の鹽分と酸度とは本砂丘の植物群落の成立上重要なる役割を演じ居るものの如くである。
- 九州帝國大學農學部の論文
- 1940-07-00
九州帝國大學農學部 | 論文
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