土壌中の沃素含量に就て
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概要
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The total contents of iodine in sixty virgine soil samples from various parts in the middle and western districts of Japan studied varied between 0.00 and 58.12 p.p.m., average for all the soils 19.94 p.p.m. The clayey soils contained the largest amoun t of iodine which was followed by the loam, clayey loam, sandy loam and sand soil in the order. The soils of larger pH contained more iodine on average. The humus content of soil appeared to have the correlation with the iodine content. Generaley, if the former is rich, the latter also abound. Considering the results fro m the soil origin, the dilluvial soil contained the largest amount and the volcanic ash soil was next. No correlation was found between the iod i n e content and the total Fe, Mn, Ca, Ti contents of the soil.(1) 本邦中部及び西部各地方より採集した未耕土60點中の沃素含量を電氣爐による Closed Combustion 法をもつて測定した。(2) 共の得たる結果は從來報告されてゐるものより大きいのである。即ち檢土60點中の沃素含量は 0.00~58.12p.p.m. 平均 19.94p.p.m.であつた。猶檢土60中20p.p.m.以上を含むものは 46.7% に及び, 10~20p.p.m.のものは30%5~10p.p.m.のものは13.3%で0~1, 1~5.P.P.m.を含むものは各々5%宛であつた。(3) 土壤を地質別に考へると新しい時代に起源する土壤の方が古い時代のものより平均多く含んでゐることになつてゐる。洪積層土壤火山灰質土壤第三紀層土壤中生層土壤古生層土壤の順であり, 母岩別にみると大盤水成岩に由來する土壤は火成岩に由來するものより多く含んでゐることを示した。(4) 含有する沃素平均量と腐植含量とは密接な關係がある樣で概して腐植含量の高いものは沃素含量も多い樣である。(5) 土性別に土壤をわけて平均沃素含量を調べてみると埴土最も多く含み壤土, 埴壤土, 砂壤土, 砂土の順であつて大體粘土分の含量の多少と同傾向にある樣に考へられる。粒子の細いものが多い程, 沃素含量は多いと見られる。又同一土性のものでも細い粒子をより多くもつたものゝ方が平均沃素含量は遙に多いのである。(6) 土壤の PH と沃素含量はPH價の大きいものは沃素含量も平均して概して大きくなつて居る。(7) 土壤中の等の全含量と沃素含量との間には特種の傾向や關係は見うけられない。
- 九州帝國大學農學部の論文
九州帝國大學農學部 | 論文
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