土壌水分供給力測定の際に於けるソイルポイントの合理的使用法の研究
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概要
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It is very important to ascertain the suitable time-period for a test in the determination of the water-supplying power of soils under varying soil moisture conditions, by the soil point method. There is, however, no fundamental guidance whereby exactly to determine this time-period. The present work has been undertaken to supply that deficiency. For this purpose the relation between the amount of water absorbed by soil point and the corresponding absorption time which obtained in free water and various moisture conditions of eight soils of varying water-holding capacity from 35.7 % to 123.7 % (as volume %), was investigated. From these data, the author sought to obtain an empirical formula for the absorbing process of soil point, and using this formula, to ascertain the most suitable time-period in question, in order that the soil point method might be more reliable for the determination of water-supplying power of soils.本研究はソイルポイントによる土壌水分供給力の程度の測定に常り, 土壌内挿入時間の決定につき從來根擦とすべきものがなかつたのに對し,合理的挿入時間を決定する目的を以て行はれたもので, 先づ種々の含水殊態の数種の土壌及び水中に於てソイルポイントの吸水経過を吟味し, 1) 一般にソイルポイントの吸水脛過は x=at^b で表はし得ることを明かにした。但し茲にxは吸水量(瓦), tは吸水時間(分), a, bは與へられた一つの土壌では共に常数であるが, 土壌の種類及び含水量が異ると共にそれぞれ異つた値を示す。2) 土壌水分供給力の程度の測定操作の第一法は, 先づ供試土壌に就て最少二個以上のソイルポイントを一組として, 二つ以上の異なる吸水時間(t)に対応する吸水量實測値(x)を求め, 以て上記の吸水式の常数の値を求め, それぞれの場合に於ける實験吸水式を得, 次に規準吸水量 0.5g に対応する吸水所要時間(t)をこの式より算出, これを與へられた土壌の合理的挿入時間と見做し, 乾燥ソイルポイントを新たにそれぞれの供試土壌に挿入して吸水量實測値(x)を求め, 之より水分供給力測定規準時間10分間にソイルポイントに吸収せらるぺき水量Sを算出し, 之を以て所要の水分供給力の程度を示す値とする。此際に行ふ換算は次の式による。S=10x/t 次に第二の方法は, 上記算定挿入時間内の吸水量實測値(x)は各供試土壌共相等しく, その値は0.5gに極めて近似すべき筈との建前より, 第一の方法の場合の如き再度のソイルポイントの挿入を略し, 挿入時間(t)の算定後直ちに S=10x0.5/t の式により水分供給力の程度Sを算出する。以上要するにソイルポイントの吸水式利用により各種土壌の各場合に於ける合理的な挿入時間を決定することが本研究の主要点であり, 之を根拠として水分供給力の程度を測定したもので, その結果は從來の方法に伴ひ勝ちであるソイノレボイント吸水能減退による水分供給力の程度測定上の誤差より免れることが出來た。
- 九州帝國大學農學部の論文
- 1936-07-00
九州帝國大學農學部 | 論文
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