二三の植物の榮養體部に於ける花青素出現に就ての生理解剖學的研究
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概要
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Es wurden hier anatomische Untersuchungen iiber die Verteilungder in verschiedenen Vegetationsorganen in Erscheinung tretenden Anthozyanfarbstoffe von Abutilon avicennae (Sorte : Akaguki"), Corcholus capsularis (Sorte : Akaguki"), Perilla nankinensis (Sorte : Akashiso "), and Oryza saliva (Sorte : ?Murasaki-Ine "), d. h. samtlich Pflanzen mit roten Blattern oder Stengeln unternommen and weiter dazu physiologische Betrachtungen angestellt. Die Hauptergebnisse gebe ich in nachfolgenden kurz zusammengefasst wieder:本研究は青麻, 黄麻, 紫蘇及び稻につき, 其の營養體部に出現する花青素の分布を解剖乃至組織學的に觀察し, 之に生理解剖學的考察を加へたるものなり。其の結果によれば,1) 花青素は青麻に於ては莖及び葉柄の表皮に, 黄麻に於ては莖及び葉柄の皮層の最外部一層竝びに篩管部細胞内に含有せらるゝを見, 紫蘇に於ては莖, 葉柄及び葉身の表皮竝びに導管部柔細胞及び根の髓と導管部との接する部分に於ける組織細胞内に含有せられ, 稻こ於ては葉身及び葉鞘の表皮に著しく含有せらるゝを見る。即營養體部に於ける花青素の出現は體の外縁部と體の内部とに區別せらる。2) 體の外縁部に出現する花青素は從來説明され來れる如く, 種々の生態的及び生理的に有意義なるものであり, それが出現の原因の重要なる一つは日光に直射せられる事に在りと考へらる。3) 内部組織に花青素の出現する時は比較的營養物質の豐富なる組織に現はるゝものにして, こは花青素の生成に必要なる物質の豐富に存することによりて起る生理化學的必然なる結果と解せらる。4) 花青素の出現は生長旺盛なる部分に少なく, 生長旺盛ならざる部分に著しく, 又全發育期間を通じて見れば生長期に少なく, 生長完結期に於て大なり。5) 之を要するに花青素の出現はその生成に必要なる物質の存在する事及び日光に直射せられることによりて有利に導かるゝものゝ如し。6) 以上生理解剖學的考察の結果は花青素の出現に對しての生理的研究の結果と全く一致す。
- 九州帝國大學農學部の論文
- 1932-10-00
九州帝國大學農學部 | 論文
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