樹幹の生長曲線に關する一考察
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概要
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From the Results of investigations into numerous numrical data which had been collected by Dr. M. Yoshida by analysing trunks of "sugi" (Cryptomeria Japonica) trees in Chiba prefecture, I suggested the following empirical formulas, assuming growth Y is the function of age X,上掲表の結果によれば (A) (B) 兩式は大體に於て樹木の生長を現し得る實驗式であると考へられる。今この式の從來の諸式に比べて有すると思はるゝ特質を次の如く要約する。1, 比較的よく實際と適合すること。2, 式形の齊一簡單なること。3, 常數を求むる手續簡單なること。4, (B) 式は極めて簡單なる雙曲線の式である。幼壯の部分を問はずして, 單に老齡の部分の生長を知らんとする場合に使用して甚便利であろう。壯齡期以後に於て生長徑路が高さ, 直徑, 材積の何れの場合を通じて簡單なる雙曲線式を以て現はし得ることは興味あることゝ思はれる。以上總て吉田博士の材料により杉に就て考察したものであるが, 更に手許にある僅少なる資料に就て計算せる處に依れば (A) (B) 兩式は九州地方のアカマツ及び北海道, 樺太のエゾマツ及びトドマツにも適用し得べしと想像される。他樹種及び現在の材料以上の高齡樹に對して適合すべきや否やは別箇の問題に屬する。猶 (A) (B) 兩式に或る變形を加ふれば林分の生長に就ても應用し得るであろうこごを附言する。
- 九州帝國大學農學部の論文
- 1930-10-00
九州帝國大學農學部 | 論文
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