筒蒿の腐敗病
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概要
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大正十一年冬期より大正十二年春季に亙り筒蒿 (Chrysanthemum coronarium L.) に一種の黑色を呈して腐敗する病害發生せり, 其病状炭疸病に類似するところありと雖も炭疸病原菌を見出すをこと能はずして細菌のみを檢出するを常とす, 依つて各地より採集せる標本につきて菌の分離を行ひ共得たる分離細菌を接種して其病原性を確め, 次いで病原菌の形態培養上の特性及び, 生理的性質を究むるに及び, 本病は細菌の寄生に依りて起り而も共病原細菌は從來植物に寄生して病原をなす細菌と異なる種類なることを認めたり, 筒蒿を侵す細菌類に關しては Philippine に於て茄子青枯病菌 Bacterium Solanacearum SMITH の寄生を報告ぜられたるに過ぎす, 而して本病の被害史に關しても詳細ならずして, 中田教授は大正十二年一月始めて之れを鹿兒島縣にて採集せられ, 次で餘は福岡市附近の蔬菜栽培地至るところより採集せり。
- 九州帝國大學農學部の論文
- 1924-12-00
九州帝國大學農學部 | 論文
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