奈良県の中学校におけるゴミ処理に関する実態調査
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概要
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ゴミ焼却炉から排出されるダイオキシンの問題は、工場や住宅地だけでなく、学校内に設置されている焼却炉にまで及び、その使用が禁止された。中学校技術・家庭の木材加工の実習で出てくる木くずや木片は従来焼却炉で処分されていたが、これらは自由に焼却処理できなくなっている。このため、木材加工実習用教材においてゴミ排出量の少ないキット教材に変更されることが懸念される。そこで本研究では、中学校におけるゴミ処理の実態を把握し、技術科教育への影響度を検討するための基礎資料を得ることを目的として調査を実施した。文部省が焼却炉の使用禁止を通達した後、県内の90%以上の学校では焼却炉を使用せず、木くずや木片はゴミ処理施設に引き取ってもらっている。現在約50%の学校でキット教材が使われているが、木くずや木片などのゴミ処理の問題が生じた後でも、木材加工実習の題材を変更する学校はごく少数であり、一枚板を使用している学校では、キット教材への変更は否定的である。80%以上の学校で、材料の幅や長さを基準にして木片を保管し、学校の工夫でそれらが有効に再利用されている。
- 奈良教育大学教育研究所の論文
- 2000-03-01