精神保健ボランティアと社会復帰援助 ―うつ病からの回復過程にある一学生の通学支援を中心に―
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概要
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精神病を羅患した学生の社会復帰や復学は、学生の疾病の多様性によって、また周囲の精神病への無理解から起因する「バリア」等と複合的に関連しているため、その実現が容易ではない。しかしながら、そうした学生の復学は医療サイドや家族の理解ならびに周囲の人たちの理解や支援によって、罹患前の学生のキャンパスへのアクセスと同様の質をもつアクセスを実現する可能性を持っている。本稿では、そのような精神保健ボランティアの一活動として展開された通学支援プログラムを対象として、その特徴を活動経過についての事例研究を中心にして明らかにしようとするものである。分析対象活動は関西にあるA病院に設定し、当該病院の精神保健ボランティア活動を分析した。その結果、罹患学生の疾病や個性にそった、通学支援活動の実施の可能性の所在が示された。
- 奈良教育大学教育研究所の論文
- 1999-03-01