Collocational aspects of near-synonyms : Illustrations from a small corpus
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概要
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語学教育の重要な目的の一つは、学習者の第二言語のlexical compelence(母語話者と同じように語彙を自然に使用・理解できる能力)を育むことである。そのためには学習者向けに編纂された辞書が重要な役割を果たすべきことは言うまでもない。国語辞典や日本人向けの二か国語辞典と比べ、学習者用辞典には日本語語彙の意味・用法についてより多くの情報を含めなければならない。そういった情報の一つに語彙のコロケーションについての情報がある。一般的に「コロケーション」とは、ある単語が他のどのような単語といっしょに多く使用されるかということを意味するが、その厳密な定義は一様ではない。ここでは、例えば形容詞の場合はどのような名詞を修飾するのか、名詞の場合はどのような動詞の主語や目的語になるのかといった、同一の構文パターン(construction)内に現れる単語どうしの傾向を中心に考える。こういったコロケーションは語彙的意味・用法の重要な側面をなしているにもかかわらず、必ずしも国語辞書などの記述には反映されていないのが現状である。学習者の語彙教育の中心的な課題の一つに類義語の使い分けがある。類義語はそれぞれが別の単語である以上、その意味内容や使い方も異なるはずであるが、その違いは必ずしも明白に記述されていない。この小論では、二組の類義語(ねずみ色/灰色/グレー、書籍/図書/書物)を取り上げ、コーパスに基づいてそのコロケーションの傾向を比較対照し、コロケーション研究が類義語の意味・用法の追求においても有効であることを論ずる。
- 北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Centerの論文
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center | 論文
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