小学生の学習動機
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概要
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小学校2、4、6年生合計1134名が、学習動機をあらわす15項目について、『はい』か『いいえ』で反応した。資料を統計的に分析したところ、主な結果は次のとおりであった。(1)えらい人になりたい、新しいことを知りたい、大人になって投にたつ、成績をよくするの4項目が、小学生に共通する支配的な学習動機である。(2)新しいことを知りたいと、大人になって役にたつの2項目は学年とともに増加していくが、他の項目はすべて減少している。(3)4年と6年では、教師や親が加える外的動機づけに関する項目の承認率はきわめて低い。(4)学年が進むにつれて、動機づけの手段が減少する。(5)成績のよい者は、新しいことを知りたいから勉強するという気持が強い。(6)成績の悪い者は、教師や親、テストや宿題など、外からの強制によって動機づけられている。(7)成績のよい者と悪い者の動機におけるちがいは、学年とともに減少する。(8)教師からみた児童の学習動機と児童自身のそれとの間には、かなりの相違がある。以上の結果について、社会的望ましさ、教師の指導、学習されたものとしての学習動機などの点から考察した。
- 奈良教育大学教育研究所の論文
- 1968-03-25