<症例>腫瘤形成性膵炎を合併しインスリン導入後に抗GAD抗体陽性化した糖尿病の1例
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概要
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[抄録] 症例は80歳,女性.健康診断で糖尿病を指摘され受診.随時血糖434mg/dl,HbA1c13.2%,尿アセトン体陽性のため入院の上,インスリン治療を開始した.翌月,肝胆道系酵素の上昇を認めCT,ERCP等で腫瘤形成性膵炎とそれに伴う胆管狭窄が疑われた.血糖コントロールは改善し安定していたがインスリン導入18ケ月後にコントロール悪化し再入院.抗GAD抗体陽性化し内因性インスリン分泌能の低下を認めたがインスリンの増量なく改善した.2ケ月後,更にコントロール悪化し再度入院.抗GAD抗体価は上昇し,グルカゴン負荷テストにてインスリン依存状態であった.本症例では1型糖尿病の疾患感受性HLAクラスIIハプロタイプ(DRB1*0405 -DQB1*0401,DRB1*0901-DQB1*0303 )を有しており,膵炎合併やインスリン注射により膵島自己免疫が惹起され1型糖尿病に移行した可能性が考えられた.
著者
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