依頼場面における理由提示形式 : 「から」の待遇上の制約(水谷信子先生退官記念号)
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概要
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アンケート調査で得た日本語母語話者の発話データを分析した結果、「から」「ので」「て」等の理由提示形式の選択には、聞き手と話し手の距離、発話が聞き手に与える負担の有無、負担の大小などが大きくかかわっており、その結果、「から」の使用には、強い待遇上の制約があることが明らかになった。一方、同じ調査における中上級日本語学習者の回答では、この制約に反した「から」の使用がかなり見られた。これは、従来の日本語教育において、「から」は依頼文に先行するという文法的観点からの指導が強調され、聞き手に対する待遇的配慮という観点が重視されていないことの弊害ではないかと考える。
- お茶の水女子大学日本言語文化学研究会の論文
- 1995-07-01
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会 | 論文
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