古代金石文と『耳比磨利帖』
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概要
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日本の金石文研究は、江戸時代中期の好古趣味に発する長い歴史を持つが、その初期の著作として、玉田成章の編んだ『耳比磨利帖』(天明七年、一七八七年序) を挙げることができる。この法帖形式の書には九点の古代金石文が収載されており、早く神田喜一郎博士が、金石文研究の歴史を叙述される中で取り上げられたことがあった。その価値を余り高くは評価できないとされた点は、大筋として従うべきであるが、内容について詳しくは紹介されておらず、その歴史的意義に関してもなお付言すべきことがないではない。この小文では、改めてその内容を紹介し、若干の私見を記すこととしたい。
- 奈良大学文学部文化財学科の論文