大学生の育児観と生殖補助医療技術に関する意識-大阪教育大学の場合-
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概要
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最近の医療技術の進歩は、生命の誕生を「神の授かりもの」とされる神秘の世界から人間が操作できるものへと一挙に変化させ、今やクローン人間出生のニュースまで世界を飛びかうようになった。そのような中で近い将来、家庭をもって子育てする青年らは生殖補助医療技術をどのように考えているのかを把握するとともに、人類の生命の在り方を踏まえて如何なる課題意識を持つべきなのかを検討するために、大教大学生の育児観と生殖補助医療技術に対する意識を調査した。8割の学生は将来、家庭を持ちたいとし、2~3人の子どもがいる核家族において夫婦で育児を分担するのを理想としていた。また、子どもは家族の絆を深め、自分の成長を促し、子育ては楽しいものと考え、理想の家庭像には子どもが大きい存在であった。そして、不妊症の場合には生殖補助医療技術を利用したいとする者は、多くの子どもを,三世代家族で賑やかに楽しく育てると共に、親の世話も重視するという家庭をイメージしていた。一方、クローン人間の肯定者は1割弱と少数であるが、否定者に比し子どもは少ないのを理想とし、家庭における子どもの存在は軽く、育児に楽しさを覚える者が少ないことから、単に技術そのものを興味本位で追っていく懸念があった。今後も、進歩し続ける広範囲の科学技術に振り回されることなく、移植補助医療技術の適用に関しても、生命倫理を踏まえた充分な議論が必要と考えられた。
- 大阪教育大学家政学研究会,Society for Life Culture of Osaka Kyoiku Universityの論文
大阪教育大学家政学研究会,Society for Life Culture of Osaka Kyoiku University | 論文
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