健康者および結核患者の血清におけるらい菌フェノール性糖脂質の糖鎖と同じ構造を持つ二糖および単糖に対する抗体の存在について
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概要
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1982年にHunterらによってらい菌からフェノール性糖脂質(PGL I )が単離、構造決定されて以来その血清学的性質が多くの研究者によって研究されてきた。特に糖鎖の化学合成が成功した事によって多数の血清試料を詳細に検討することが可能になった。その結果PGLIの糖鎖、特に三糖全体を合成し、血清アルブミソ(BSA)に結合させた合成抗原(NT-P-BSA)がらい菌の感染を血清学的に診断するための道具としてきわめて有効であることが明らかになり、現在ではこの合成抗原を用いたELISAやゼラチソ粒子凝集法が実用化されている。しかしこの方法は健康者血清に対して数%の偽陽性を示し、この点を改善する必要がある。合成抗原を用いた研究の過程でフェノール性糖脂の糖鎖のうちで非還元末端の糖である3,6-di-0-methy1一β一D-91ucopyranoseがその特異性の決定に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。しかしそれ以外の二つの2,3-di-O-methyl-a-1,-rhamno-pyranoseと3-0-methy1-a-Lrhamnopyranoseに対する抗体も存在し、これが偽陽性の原因となっている可能性があるのでこの点について検討をした。
- 奈良大学の論文
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