胃食道逆流判定を用いたstep-up方式による半固形化栄養剤の選択の試み
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概要
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症例毎に適切な粘度の半固形化栄養剤を提供すること、および胃瘻造設後の半固形化栄養剤の投与プロトコールを作成することを目的とし、胃食道逆流判定を用いたstep-up方式による半固形化栄養剤の選択の試みを行った。対象は平成20年4月から平成21年7月の間に、NSTが介入し半固形化栄養剤を使用した34例のうち、胃食道逆流症にて胃食道逆流判定を行った12名(男性5名、女性7名)である。経腸栄養剤の注入前後に咽頭喉頭分泌物を吸引し、尿糖試験紙を用いて逆流判定を行った。逆流判定が陽性の場合は、栄養剤の粘度を中粘度剤(3250cP)から、高粘度剤A剤(6000cP)、高粘度B剤(2000cP)と逆流判定が逆流判定が陰性になるまでstep-upし、逆流判定が陰性になった時の粘度を適正粘度とした。対象症例12名中、7名が中粘度剤で、2名が高粘度剤A剤で、3名が高粘度B剤で逆流判定陰性となり、全例で経腸栄養の投与継続が可能となった。また、胃瘻造設時に逆流性食道炎・食道裂孔ヘルニアと診断された症例に対し、間欠投与で中粘度剤から投与を開始するプロトロールを作成したが、すべてトラブルなく利用する事ができた。逆流判定を用いたstep-up方式により、症例毎に適した半固形化栄養剤の選択が可能となったが、胃食道逆流症例の半数が高粘度(6000cP以上)の栄養剤が必要であった。今後、より安全で素早い半固形化栄養剤の選択を行うためには、高粘度の栄養剤へ統一が望ましいことが示唆された。
- 2010-03-31
著者
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