前立腺肥大症に対する尿道ステント(MEMOTHERM)の使用経験
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概要
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前立腺肥大症9例を対象に,尿道ステント留置を施行し,治療成績を検討した.材料は永久型タイプであるアンジオメッド社製ニチノール形状記憶合金製尿道ステント・メモサームを使用した.方法は,麻酔は3例にサドルブロックを,6例に仙骨ブロックを施行した.体位は載石位とし,膀胱瘻造設後,膀胱頸部から精阜迄の前立腺部尿道の長さを測定し,5mm短いステントを選択,透視下に留置を行った.手術時間は平均69分で,出血は殆どなく,術中合併症も認めなかった.また,術後随伴症状として,尿失禁2例,排尿困難1例,膀胱刺激症状3例,疼痛2例を認めた.疼痛が激しかった1例では抜去を行った.経過観察のため術後1ヵ月目にUCG・VCGを施行した1例では,膀胱頸部が十分に開いていることが確認できた.また,術後2ヵ月・半年・1年経過した症例では膀胱鏡を施行し,結石形成や感染徴候を認めず,ステントの上皮化が確認できた.現在,観察可能な全症例において残尿なく自排尿良好であるWe used a urethral stent for management of high-age and high-risk patients with benign prostatic hyperplasia (BPH) who needed surgical therapy. Nine patients were treated by this method. Chief complaints were urinary retention in 6 patients, dysuria with much residual urine in 2 and dysuria in 1. Blood loss and complications of the method were minimal. Postoperatively, 8 of the patients were able to void and on the average, residual urine of the patients was approximately 10 ml. Implantation of the urethral stent is a safe and non-invasive therapy for the patients who are unsuitable for invasive therapy.
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