本人の認識から検討する統合失調症と統合失調症のある人の地域生活に関する一考察
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概要
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利用者の自己決定、被支援者と支援者の対等な関係など利用者主体の社会福祉サービスは我が国における今日的課題である。しかしながら利用者本位のサービスを実現していくためには、利用者自身が現状をどのように受け止め、どのような支援を求めているのかを知る必要がある。そこで支援者との協働についての示唆を得ることを目的として、地域で生活している統合失調症のある人にインタビューし、本人の統合失調症観や本人に求められるもの、周囲の人に求められるものを検討し、統合失調症のある人を支援する姿勢について考察した。結果は、調査対象となった3名は病気のことを概ね自覚し、生活の一部として引き受けている。しかしこの生活は、外部へのポジティブな志向性とともに無理をしないという一見相反した生活スタイルとのバランスの上に成り立っている。支援者をはじめとする周囲の人が統合失調症のある人を病人としてのみ見るのではなく、統合失調症を本人の一部として信頼関係を確立していく姿勢が必要である。
- 大阪教育大学発達人間学講座の論文
- 2004-02-15
大阪教育大学発達人間学講座 | 論文
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