高知県浦ノ内湾におけるイガイ科二枚貝類3種の繁殖期
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概要
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外来種による在来種への影響を検討するにあたり、在来種の生活史や個体群動態等の生態学的知見が必要である。本研究では、高知県浦ノ内湾の岩礁域における在来イガイ類のうち、ヒバリガイモドキHormomya mutabilis、クジャクガイSeptifer bilocularisおよびムラサキインコS. virgatusについて、軟体部重量比(SI)と肥満度(CI)および標準湿重量(SWW)の季節変化から繁殖期を推定した。その結果、これらの繁殖期は夏~初秋であることが示唆され、外来種ミドリイガイPerna viridisの繁殖期と重複することが明らかとなった。特にヒバリガイモドキとクジャクガイについては、先行研究によってミドリイガイとの生息場所をめぐる競合が予想されているが、本研究においては、成貝のみならず新規加入の段階でも競合が起こっている可能性が示唆された。To determine the effects of non-indigenous species, it is important to describe ecological features (e.g. life history and population dynamics) of native species. The reproductive seasons of three native mytilid species, Hormomya mutabilis, Septifer bilocularis, and S. virgatus, were studied in Uranouchi Inlet, Kochi, Japan. Seasonal fluctuations in the somatic index (SI), condition index (CI), and standard wet weight (SWW) revealed that these mussels spawned from summer to early autumn, which coincided with the spawning season of the nonindigenous mussel Perna viridis. It is suggested that H. mutabilis, S. bilocularis, and P. viridis compete in both adult and recruit phases.
- 2010-02-26
著者
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