Satoyama Conservation and Public Intentions with Regard to Conservation Activities
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概要
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本稿では、里山保全に対する地域住民の認識と里山保全活動に対する地域住民の意向について、千葉県鴨川市、高知県檮原町、岐阜県恵那市を対象に実施したアンケート調査の結果を分析することにより明らかにし、非営利団体(NPO)が里山を保全する場合と、民間企業が保全する場合と、行政(市町)が直接保全する場合の三者を比較しながら、今後の里山保全の望ましいあり方について考察した。 考察の結果、(1)都市民との混住化がすすむ鴨川市では、里山保全主体としてNPO への期待が大きいが、これは同市内にある里山保存団体の積極的な保全活動が地域住民に広く認知されていることがその理由の一つとしてあげられること、(2)高齢化が極端にすすみ独居世帯の比率が高い檮原町では、行政に対する期待が大きくNPO による保全活動はあまり期待できないこと、(3)農家・林家が里山を保全するのが最適だと考える住民が多い恵那市では、NPO への期待は少なくないものの、その期待は鴨川市におけるよりは小さなものであること、(4)3地域全体でみた場合、同市(町)内の里山保存団体を地域住民に知ってもらうことで、地域住民の里山保全に対する認識を深め、結果的に里山保全への期待の程度を今以上に大きくすることが可能であること、(5)同様に、行政の里山保全活動を地域住民に知ってもらうことは、一方で地域の里山保存団体の評価を高める方向に作用すること、等を明らかにすることができた。
- 2010-03-25
著者
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