学校数学における関数の定義についての史的考察 : 中学校数学を中心にして
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概要
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本稿では,関数の定義がこれまで教科書でどのようになされてきたのか,その変遷を考察した。その結果,昭和33年の学習指導要領改訂までは「xの値を決めるとそれにつれてyの値も決まるときyはxの関数である」が一般的であったが,昭和44年の学習指導要領改訂で, 集合から集合への一意対応を関数の定義とした。それ以後,「一意」ということが定義で意識されるようになった。昭和52年では「xの値を決めるとそれにつれてyの値もただ1つ決まるときyはxの関数である」と一意対応の2つの定義を扱っている。平成元年で一意対応の定義を取り止めたが,「xの値を決めるとそれにつれてyの値もただ1つ決まるときyはxの関数である」が,依然と主流になっている。これは昭和44年の影響が未だにあると考えられる。勿論,関数の定義の変化は, 例題や変化の割合の取扱にも影響を与えた。
- 近畿数学教育学会の論文
- 2000-02-05
近畿数学教育学会 | 論文
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