第三次岩波版『鴎外全集』<第二刷> 収載の書簡錯簡考
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概要
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鴎外の自筆書簡は、第三次岩波版『鴎外全集』第三十六巻 (一九七五年三月三十一日第一刷発行、一九八九年十一月二日第二刷発行) に収録されている。全集には現在一六五四通 (第一刷=一-一五六〇通、第二刷=一五六一-一六五四通) が掲出されている。森鴎外記念館 (島根県鹿足郡津和野町) の広石修副館長が試みた鴎外の末弟潤三郎の東京・京都の転居先の住所確認の作業が発端となって、文京区立鴎外記念本郷図書館所蔵の家族宛葉書と『鴎外全集』所載の葉書とを対校する作業を個別に行ない、対照させた。その結果二十一通 (鴎外妻志け宛三通、弟潤三郎宛四通、長子於菟宛十四通) に疑義が出てきた。この二十一通を文京区立鴎外記念本郷図書館で実物を閲覧した。その結果、全集の表記を訂正すべき葉書 (十七通)、全集の表記を訂正すべき可能性が高いが、なお全集未収載の可能性を残している葉書 (一通)、全集未収載の葉書 (三通) が確認された。本稿は共同作業により、『鴎外全集』収載の葉書の錯簡の調査報告である。
- 跡見学園女子大学の論文
- 2000-03-15
著者
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