低塩化サバ糠漬け「へしこ」製造方法の実用性
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概要
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本研究では、へしこの製造期間の短縮、品質の安定化、製品の低塩化を目的とし、発酵調味糠を用いた実験室における少量の試料での製造方法の検討をもとに、従来法の製造に用いられる樽にサバを漬け込み、本製造方法の実用性について検討した。サバの下処理は、背開きして食塩5%(サバ重量)を振り塩し、一晩おいた。発酵調味糠を用いた本漬けは、下処理時に滲み出てきた水分(生しえ)を加えたものと加えないものの2樽とし、25℃で4ヶ月間発酵させた。従来法で製造された市販品のへしこと計3点を試料とした。その結果、本製造方法での、食用における安全性が確認された。製造した2試料は市販品よりも、塩分含量が有意に低く、過酸化脂質の生成は有意に低く、α―トコフェロール量は有意に高かった。官能検査から、食味の好ましさは「塩辛さ」において生しえを加えたものが、生しえを加えなかったものや市販品より有意に好ましく、「総合評価」においても、生しえを加えたものが好ましかった。よって、調味発酵糠を用いて樽漬けした本製造方法は、大量に製造する上で実用可能であると考えられる。