幼児後期の子どもの手術に対する前向きな取り組みを目指した看護援助
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概要
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本研究の目的は,幼児後期の子どもとその親を対象に,子どもが手術に対して前向きに取り組めることを目指した介入プログラムを考案・実施し,子どもの手術に対する準備状態・取り組みの実際から,介入による効果を明らかにすることであった。介入プログラムは子どもと親のそれぞれに看護目標と基本となる援助内容を設定し,子どもと親への援助とアセスメントを繰り返しながら,対象の入院当日から退院まで継続して行うものであった。対象は,研究参加の承諾の得られた6例の子どもとその親で,対象の入院当日から退院まで援助を行い,その効果を検討した。 その結果,子どもの手術に対する準備状態や手術後の手術に対する取り組みの状況より,対象は以下の2群に分かれた。【手術に前向きに取り組めた群】の子どもは入院までに手術の必要性を知っており,援助により手術に関連する処置・制限・苦痛や入室時の親との分離などを予測することができた。また子どものニーズや発達段階にあった親のサポートを得て,手術に対する準備状態が整っていった。【手術後の苦痛の表出や痛みへの対応がうまくできなかった群】の子どもは最も恐れていた手術後の痛みや親との分離について正確な情報が与えられず,親からのサポートも十分に得られないため不安を十分に表出することができないまま手術に臨んでいた。また手術後も痛みの表出や対処を行うことが難しかった。 介入プログラムに沿った援助は,子どもの手術に関連する不安の表出を促し,不安に感じている事への対応を可能とした。また手術前後に継続的な視点で援助を行うことにより,子どもが予測していた状況と現実の・・・The purpose of this study is to develop and examine a nursing intervention program that aimed to promote preschool children in dealing with their surgery positively. The subjects consisted of 6 children and their parents who agreed to participate in the study. The nursing intervention was provided to the subjects from the first day of hospitalization to the day of discharge from hospital, and the effects were evaluated. Based on the results, the subjects were divided into the following 2 groups according to the way they prepared for and dealt with their surgery. In the “group of subjects who could positively deal with their surgery," the children understood the necessity of the surgery before hospitalization, and the intervention helped them to expect that they would have treatments, restrictions, and pain due to the surgery, and be separated from their parents upon entering the operating room. They were also well-prepared for the surgery by obtaining support from their parents that coincided with the children's needs and developmental stage. In the “group of subjects who were not successful in expressing post-operative pain and dealing with pain," the children were not given accurate information regarding post-operative pain and separation from their parents, which the children were most afraid of, nor did they receive sufficient support from their parents; therefore, they had to go through the surgery without the opportunity to fully express anxiety. The subjects also had difficulty in expressing and dealing with post-operative pain. It was found that support based on the intervention program encouraged children to express anxiety regarding their operations, thus allowing them to deal with what they felt anxious about Continuous support before and after the operations was also found to be effective in helping children bridge the gap between the expected situation and the actual situation.
- 千葉看護学会の論文
- 2007-12-30
著者
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