宮澤賢治文学における地学的想像力(5) : 応用編・修羅意識と中生代白亜紀
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概要
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本稿は「宮沢賢治文学における地学的想像力」というテーマの下に企図された、連作論文の一つである。これまで、(一)「基礎編・珪化木(I)及び瑪瑙」(「文学部紀要」文教大学文学部第21-2号)、(二)「基礎編・珪化木(II)」(「言語と文化」第20号、文教大学言語文化研究所)、(三)「基礎編・<まごい淵>と<豊沢川の石>」(「注文の多い土佐料理店」第12号、高知大学宮沢賢治研究会)、(四)「応用編・楢ノ木大学士と蛋白石、発展編・ジャータカと地学」(「文学部紀要」文教大学文学部第22-1号)として、発表している。本稿は、賢治の修羅意識と中生代白亜紀との関わりに注目し、中生代白亜紀の自空間(修羅性)への恐怖と、救済としての「透明な人類」について考察する。なお、詩集『春と修羅』所収の詩の引用の表記だが、促音に関し「っ」でなく「つ」と大きく印字されており、『新校本全集』表記もそれにしたがっている。本稿での引用も大きな「つ」とする。賢治の場合、原稿状態では小さな「っ」を用いることが普通である。
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