長野県南部地域における在宅難病患者に対する災害時支援の必要性の検討
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概要
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目的:在宅で生活する難病患者は、地震発生時に自力で避難所への移動が困難な人が多く、発災時に有効な支援体制を構築することがpreventable death(防ぎうる死亡)を減少させることに寄与する。そこで、在宅難病患者が大規模災害発生時に避難所への移動に関して支援の必要度、必要とする支援の内容を把握すること、及び必要な支援を満たすために地域で課題となる点について若干の検討を行った。方法:平成18年7月から9月の2か月間に郵送法で、アンケート方式による調査を行った。調査対象者は飯田保健所・伊那保健所管内の特定疾患医療受給者証更新対象者1,490人である。今回は回答者1,070人のうち、在宅療養者1,004人(回答率67.4%)を分析の対象とした。結果:1) 避難所への移動支援に関する事項:支援を必要とする人は413人(41.2%)であった。避難所への移動支援が必要な413人中、移動支援を既に誰かに依頼している人は200人(48.5%)であった。2) 災害時に必要とする支援についての事項:在宅難病患者の中で避難場所を知らないと答えた人は204人(20.3%)であった。また、災害に対しての備えをしていないと答えた人は470人(46.8%)であった。結論:今回の調査で、移動支援が必要であるが未だ手助けを依頼していない人と、災害に対する備えをしていない人がそれぞれ半数いることがわかった。今後は、地域で支援を必要とする難病患者について、必要となる支援の質と量を把握し、個々の難病患者の支援計画を積み重ねることによって、地域の支援体制の構築につなげていくことが重要であると痛感した。
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