Suppressive effect of microbial suspension prepared from compost-amended soilon bacterial wilt disease of tomato in a hydroponic system
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概要
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We investigated the effect of a microbial suspension prepared from compost-amended soil on the developmentof bacterial wilt disease of tomato caused by Ralstonia solanacearum in a hydroponic system under greenhouseconditions. When the compost-amended soil suspension was applied to the root zone of tomato seedlings and to thenutrient solution before and after transplanting, respectively, the disease was slightly suppressed. The effect wasenhanced by using a bacterial group, which was incubated in bouillon medium after collection from a compostamendedsoil suspension before application. The population of R. solanacearum in the nutrient solution treatedwith the soil bacterial group remained lower than in the untreated control. In the rhizoplane of tomato plants at 4weeks after treatment with the bacterial group, the total microbial activity evaluated by fluorescein diacetatehydrolysis was higher than those in the control plants and PCR-DGGE analysis showed that a unique bacterialcommunity different from control plants was established. These results indicated that the bacterial group activatedand diversified by compost amendment led to the disease suppression and that these bacteria could be suitable forthe control of bacterial wilt of tomato in hydroponic systems.コンポストの施用効果の一つとして,土着微生物の活性化による発病抑制効果が挙げられる.本研究では,これらの活性化された微生物を養液栽培における作物の根部病害の防除に応用することを目的として,トマト青枯病(病原菌:Ralstonia solanacearum)を対象に発病抑制効果について検討した.土耕栽培ではコンポストの施用(5%,w/w)により顕著な発病抑制効果が確認された.そこで,同様に複数の組成から成る市販コンポスト添加4週間後の土壌懸濁液およびそれに含まれる細菌群を培養・増殖して得た懸濁液を定植前のトマト苗根部および定植後の培養液に処理した.その結果,いずれにおいても発病抑制効果が見られたが,培養細菌群を処理した方がその効果は高かった。培養細菌群を処理したトマトの根面では,FDA(fluorescein diacetate)分解活性を指標にした微生物活性が無処理区よりも有意に増加し,PCR-DGGE(denaturing gradient gel electrophoresis)解析によって細菌群集構造も変化していることがうかがわれた.以上の結果より,コンポスト添加により活性化した細菌群は発病抑制に関与することが示唆され,養液栽培におけるトマト青枯病の防除にも利用し得るものと考えられた.
- 2009-03-31
著者
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