陰嚢皮膚欠損部を陰圧分層植皮片固定法で再建したフルニエ壊疽の1例
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概要
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44歳男性。患者は20年前から糖尿病, アルコール依存症の治療中であったが, 発熱, 陰嚢部の腫脹, 排尿困難が出現し, 著者らの施設へ紹介となった。入院時, 陰嚢は著明に腫脹し, 陰嚢皮膚の一部に壊死が認められた。更に肛門周囲, 鼠径部, 右側腹部に至る発赤, 腫脹, 皮下気腫がみられ, 超音波検査では尿閉による両側水腎症が確認された。一方, 腎後性の腎機能低下も認められ, CTでは陰嚢から肛門, 右側腹部にかけて筋膜におよぶ皮下気腫を認めた。以上より, 本症例はDICを併発したフルニエ壊疽と診断され, 治療として尿閉に対しては膀胱瘻を造設後, IPN/CS, CLDMの2剤併用抗菌化学療法を開始し, 同時にDICに対しては7日間のメシル酸ガベキサート, 3日間のγ-グロブリン製剤の点滴投与と血小板輸血が行われた。また, 治療開始2日後に壊死組織のデブリドマンを行い, 全身状態の改善後, 陰嚢皮膚欠損部を陰圧分層植皮片固定法で再建し, 第65病日に患者は軽快退院となった。
著者
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