経尿道的前立腺切除術長期経過後の下部尿路症状と尿流率

概要

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経尿道的前立腺切除術(TUR-P)後2-12年経過した1236例を対象に, 下部尿路症状についてアンケートを行った。回答875例, 有効回答847例であった。その結果, 全体では, 国際前立腺症状スコア(IPSS)は軽症498例(58.8%), 中等症302例(35.7%), 重症47例(5.5%)で, QOLに関しては687例(81.1%)が排尿状態に満足していた。また, 術後5年未満419例(手術時平均年齢67.2±6.9歳)と術後5年以上428例(手術時平均年齢67.8±6.9歳)の比較では, IPSSはB群がA群より高値の傾向を認め, IPSSの各症状は尿勢低下, 夜間尿回数で有意差を認めた。受診勧奨に応じた179例の尿流測定では, 最大尿流量は5年以上経過した症例は著明に低下し, 手術時年齢70歳以上の症例で著明な低下を認めた。以上より, QOLについてはTUR-Pは長期間効果を持続し, TUR-P後の長期成績は, 手術時年齢, 術後経過期間による膀胱排尿筋の加齢変化により規定される可能性がある。
泌尿器科紀要刊行会の論文