大腸癌精索転移の1例

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概要

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75歳男。約13kgの体重減少があり、近位での腹部CTで上行結腸部に腫瘤を認め、上行結腸癌stage IIの診断で右半結腸切除術を受けた。術後経過は良好であったが、術前より認めていた左鼠径部腫瘤が徐々に増大してきたため当科入院となった。MRI検査で左鼠径部にT1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号の充実性腫瘤を認め、腰椎麻酔下に腫瘍摘出術を行った。腫瘍は左精巣そのもので、精巣温存不可能であり、高位精巣摘出術に準じて左精巣・腫瘍を一塊として摘出した。摘出標本では精索に割面黄白色の充実性腫瘤を認めた。病理組織所見では核異型を示す細胞が充実性、索状に増殖しており、分化度の低い腺癌の所見で、既往の上行結腸癌の組織型と極めて類似していたことから、上行結腸癌の精索転移と考えられた。切除した精巣・精巣上体への直接浸潤は認めなかったが、精巣白膜付近の脂肪織内にリンパ管侵襲がみられた。経過観察されていたが、腹膜播種を来たし術後6ヵ月に癌死した。

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