経直腸的前立腺10カ所生検における前立腺周囲局所麻酔の有用性に関する検討

概要

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(目的)経直腸的前立腺10カ所生検における前立腺周囲局所麻酔の有用性および安全性について検討した.(対象と方法)当院において経直腸的に系統的前立腺10カ所生検を行った116人を対象とした.2002年3月から7月の間に, 58人に対し無麻酔下に生検を行い(無麻酔群), 2002年8月から2003年3月の間に, 58人に対し前立腺周囲局所麻酔下に生検を行った(局所麻酔群).局所麻酔には1%塩酸リドカインを使用し, 23Gエラスター針にて両側の前立腺外側から神経血管束周囲に, それぞれ4mlずつを2〜3カ所に分けて注入した.生検時の痛みをFace Scaleを用いて評価し, 2群間で比較した.また, 合併症についても比較検討した.(結果)Face Scaleは無麻酔群で平均3.1(中央値3)であったのに対し, 局所麻酔群では平均1.9(中央値2)と, 局所麻酔群で有意に疼痛が抑えられていた(p<0.001).また, 局所麻酔群ではFace Scale 3〜5の強い痛みを訴えた患者が20.7%であったのに対し, 無麻酔群では69%と, 明らかに局所麻酔群で強い疼痛を訴える患者が少なかった.また, 合併症については両群間に差を認めなかった.(結論)前立腺周囲局所麻酔は, 前立腺生検時の麻酔法として有用かつ安全な方法であると考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2005-11-20