青年期と成人期における自伝的記憶の方向づけ機能に関する予備的研究
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概要
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本研究の目的は,エピソードの意味づけから自伝的記憶の方向づけ機能を探ることを通して青年期と成人期の自伝的記憶の特徴について探索的に検討することであった。大学生149名と成人20名を対象に,「これまでの人生の中で最も印象的なエピソードとその時期」「それが今の自分にどのように影響していると思うか」について調査を行った。想起されたエピソードについて経験した時期及び内容の分類を行い,今の自分への影響についての意味づけについて自伝的記憶の機能という点から分類を行った。結果,青年期には意味づけの中に方向づけ機能の4つの下位機能の全てがみられたのに対し,成人期では「アンカー」・「類推」がみられないことが示され,成人期以降になると自伝的記憶を現在の問題や疑問に利用することが少なくなること,すなわち方向づけ機能の性質が変化していく可能性が示唆された。発達的観点からこの相違について論じる。
- 弘前大学教育学部の論文
- 2009-03-30
弘前大学教育学部 | 論文
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