給与粗飼料の草種が乳牛の咀しゃく行動に及ぼす影響
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概要
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給与粗飼料の草種が乳牛の咀しゃく行動に及ぼす影響を究明する目的で,ホルスタイン種泌乳牛1頭,育成牛1頭計2頭を用いて,ラジノクローバ,オーチャードグラス及び青刈りとうもろこしを刈り取り給与し,それぞれ連続48時間咬筋の筋電図を遠隔記録した。得られた筋電図をもとに供試牛の摂取及び反すう行動について検討した結果は以下の通りである。1. 1日の生草摂取時間は約220~310分の範囲であり,ラジノクローバ給与期において長くなる傾向が認められた。2. 1日の咀しゃく数は9,300~15,900回,1噛み当たりの有機物摂取量は青刈りとうもろこしで最も多く,次いでラジノクローバの順となり,オーチャードグラスで最も少なく,泌乳牛での値は育成牛の2倍以上となった。3. 粗繊維の摂取量と咀しゃく数の間には正の相関関係が認められた。4. 1日の反すう時間は約320~520分で,オーチセードグラス給与期において最も長く,次いで青刈りとうもろこし給与期の順となり,ラジノクローバ給与期で最も短かくなり,反すう時間についても粗繊維含量の影響が認められた。5. 1日の総食塊数は425~630個となり,オーチャードグラス給与期の食塊数が他の2草種に比べて多かった。6. 1日の再咀しゃく数は16,000~28,800回で,オーチャードグラス給与期の再阻し守く数が多く,ラジノクローバ給与期において減少した。また,1食塊当たりの再咀しゃく数は37~54回で,ラジノクローバ給与期で少なかった。
- 信州大学農学部の論文
- 1988-12-28
著者
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