HIV関連唾液腺疾患(HIV-related salivary gland disease)の1例 ※図なし
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概要
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51歳男.既往として血友病Aがあり,血液製剤の使用で抗HIV抗体が陽性化していた.右耳下腺の腫大に気付き,増大傾向が認められたためCT,MRIを施行したところ,右耳下腺部に球形の腫瘤が認められ,切除術を施行した.肉眼所見では,割面では大小の嚢胞があり,それ以外は白色充実性であった.組織所見では,好酸性の広い胞体を有する細胞からなる唾液腺構造が一部に残存しており,周囲には腫大したリンパ濾胞の増生を認めた.嚢胞の上皮は多層化を示す扁平上皮からなり,リンパ球の強い浸潤を来たしていた.嚢胞以外の部分は大型のリンパ濾胞の増生があり,濾胞間には索状あるいは網状構造をとる上皮成分の増生があり,リンパ球の強い浸潤を伴っていた.免疫染色ではL26陽性のB細胞と,UCHL1陽性のT細胞が,それぞれ本来の構造を保ち認められた.ケラチン染色では嚢胞を覆う上皮が陽性で,濾胞間に樹枝状に増生する上皮成分がケラチン弱陽性であった.以上の組織から,HIV-associated salivary gland disease(HSD)と診断した.術後経過は良好で,再発はみられない.HIV感染者において唾液腺の腫大を認めた場合にはHSDも念頭において診断に当たる必要があると考えられた
著者
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