「3つの限界」モデルによるリスク・コミュニケーションの構造提示 : BSE対策見直しの事例
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概要
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本稿の目的は,筆者が前考において提示したリスク・コミュニケーション改善のための「3つの限界」モデルを援用し,BSE対策見直しの事例を基に,リスク・コミュニケーションの構造をモデル化して提示することである。見直し後のBSE対策(米国・カナダ産牛肉の輸入プログラム)は日米両政府間におけるリスク・コミュニケーションの結果と考えられる。そこで本稿においては,米国・カナダ産牛肉に対する輸入禁止~解禁~再禁輸までの経緯を概説し,そこでの議論を本モデルにより分析可能であることを示す。また,本モデルを用いることによりリスクに関する議論を整理できることが可能となることを示す一方,議論が混乱する原因を考察し,リスク・コミュニケーション改善の可能性を考察する。This paper is intended to show the applicability of the hypothetical model for risk communication, which I previously introduced, to controversies in BSE (Bovine Spongiform Encephalopathy). Arguments dealt in this paper were mainly focused on debates around laying / lifting embargo of US and/or Canadian beef to Japan. Applying this model to these arguments, they can be categorized into 3, and the structure of risk communication is proposed. This finding would be able to afford better mutual understanding and communication, as well as revealing the mechanism how arguments would be mixed up.
著者
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