貧困・低所得家族の教育戦略の現実から何が見えるか--教育社会学の課題
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概要
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「小さな政府」が目指されようとしているわが国で生起してきているのは,これまでにはあまり社会問題としては取り扱われてこなかった「格差社会」「二極化社会」形成の現実である。この事実は教育社会学でも取り上げられてきている。しかし,教育費負担をめぐる不平等については,まだ正面切って議論されているとはいいがたい。そのことはまた,わが国の学校教育費をめぐる私費負担の割合はOECD 諸国の中でもとりわけ高いことに気づきつつも,その理由をめぐる分析はほとんどなされていないことと重なり合っている。本稿では,家族の「教育戦略」の根幹でもある教育費調達に焦点を当て,とくに貧困・低所得家族を対象に分析する。そこから浮き彫りになってくるのは,日本の教育費負担における「家族主義」の強固な存在である。このことを議論の俎上に載せることが,今後の教育社会学の大きな課題である。
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北海道大学大学院教育学研究科 | 論文
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