モンゴル 人と教育改革(1) : 社会主義から市場経済への移行期の証言
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概要
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1990年モンゴル人民共和国はそれまでの社会主義体制と決別し,市場経済社会に移行した。当時ソヴィエト・ロシアや東欧諸国をはじめ,多くの国が社会主義から自由主義経済へと移行したが,移行の形態は国により異なる。東ドイツのように明確な断絶を示したところもあるが,ソヴィエト・ロシアのように支配政党が変っても社会主義時代の中枢にいた人間の一部がなおも社会の諸機関に残ったところもある。モンゴルはこうした移行形態とは異なり,旧体制を支えた機関がほとんど無傷のまま新体制に継受された。人民革命党の旧幹部が若い世代に入れ替わっただけで,人民革命党はその後も政権を担い,基本的には現在に至っている。なぜこうした移行が可能だったのか,それを教育セクターで検証してみたいというのが小論を意図した課題意識である。ここでは1990年当時教育セクターの中枢にいた人の証言を通してこの移行期の実態と特徴を析出してみたい。教育行政を専門とする筆者にとって制度史的なアプローチによりこの移行期を説明することは大事な課題であるが,それよりもこの時代を生きた歴史の証人から生の声を聞いてみたい。おそらくこのようなアプローチから教育行政学の有力な仮説が見出されるのではないかと考える。
- 北海道大学大学院教育学研究科の論文
- 2006-06-30
北海道大学大学院教育学研究科 | 論文
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