近世田辺城下における町人による都市運営 --惣年寄と月行事--
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概要
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日本近世都市の運営は通常、上層町人の代表である惣年寄、マチ年寄、検断などによって担われている。彼らが町奉行所の近くのマチ会所に詰めて上意下達、下意上達の回路を実現していた。譜代大名牧野氏の城下丹後田辺では、近世後期の朝代神社祭礼から検討すると、町奉行- 惣年寄・月行事- 町役人- 平町人という伝達経路が確認できる。惣年寄及び地子御免町の年寄が担う月行事は、マチ会所において評議を行い、都市民の最終意志決定を行った。このような体制は近世中期に形成された。近世前期には祭礼執行の主導権は比較的水平的な関係の下で月行事がほぼ掌握していた。マチ会所はこの月行事の発議と、町人の負担によって成立した。そこには月行事層=地子御免町の年寄による都市運営の成長と業務の多様化が反映している。さらに都市運営の発展の延長線上に上層都市民の代表である惣年寄が設置され、惣年寄-月行事による都市運営が展開するのである。
- 2008-03-15
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