日本産ヤブカ属の1新種(双翅目:蚊科)
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概要
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山田(1927)以来,Aedes imprimens (Walker,1861)と同定されてきたヤブカ属の1邦産種は,インドネシアを中心とする東南アジアの熱帯地方およびニューギニアに分布する真のimprimensとは全く別の種であることが判明したので,新種Aedes bekkuiとして成虫(雌,雄),蛹および幼虫の形態を記載した.熱帯産のimprimensは,ただ1種でEdwardsaedes亜属を構成する特異な種であるが,bekkuiの蛹および幼虫の形態は,imprimensにもとづくEdwardsaedes亜属の記載とは,いくつかの重要な点で相違し,むしろAedimorphus亜属とよく一致する.しかし,雌,雄成虫の生殖器の構造がEdwardsaedes亜属とよく一致し,近縁亜属から区別できる点を重視して,bekkuiを,Edwardsaedes亜属の2番目の種とみなすのが妥当であると思われる.bekkuiの確実な記録は今のところ日本本土に限られる.幼虫は林間の水溜りに発生し,その近辺では人から激しく吸血するが,分布が局地的なために衛生害虫としての重要性は少ない.A blood-sucking mosquito of Japan which has been so far designated as Aedes (Edwardsaedes) imprimens (Walker, 1861) is described as a distinct new species. It is considered to represent the second member of the subgenus Edwardsaedes.
- 長崎大学熱帯医学研究所,Institute of Tropical Medicine, Nagasaki Universityの論文
- 1977-06-30
長崎大学熱帯医学研究所,Institute of Tropical Medicine, Nagasaki University | 論文
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