アラビアゴム重層遠心沈澱によるtoxoplasma gondii感染マウス脳からのシストの分離法について〔英文〕
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
A multi-layer centrifugation technic with Gum arabic solution was examined with the object of purely separating cysts of Toxoplasma gondii from infected mouse brains. This paper outlines the preparations of infected mouse brain emulsions and of the Gum arabic solution having a certain specific gravity, and the experimental results on the recovery rate of cysts, the removal rate of brain tissue and the infectivity of cysts are also reported. The results followed multi-layer centrifugation with Gum arabic solution with a sp. gravity of 1.050 and 1.070 at 1,000 G for 15 min. were quite satisfactory.著者らはアラビアゴム重層法を用いてToxoplasma gondiiのBeverlev株感染マウスの脳からシストを分離する実験を行ない,以下の成績を得た.1.アラビアゴム重層法は,蔗糖重層法と比較して分離前の脳乳剤から高いシスト回収率と高度の脳組織除去率が得られた.2.比重,1.050および1.070のアラビアゴム分離液を用い,1,000G15分間の遠心沈澱によって満足すべき結果が得られた.3.1%脳乳剤をアラビアゴム重層法によって遠心沈澱し,平均92.3%のシスト回収率と約99%の脳組織除去率(比濁法により測定)を得た.4.本法によって分離されたシストはマウスに対する感染性に著明な変状が認められなかった.本法は無菌的操作も容易であり,分離術式も簡便であることから今後感染マウスの脳からシストを分離する実験に広く応用できるものと考えられる.
- 長崎大学熱帯医学研究所,Institute of Tropical Medicine, Nagasaki Universityの論文
長崎大学熱帯医学研究所,Institute of Tropical Medicine, Nagasaki University | 論文
- Brugia pahangi感染ラット,ジャード,マウスにおける好酸球応答の差異
- フィラリアおよび糞線虫症と成人T細胞白血病ウイルス感染 : 旧フィラリア流行地・熊本県南部の過疎地における調査
- フィラリアおよび糞線虫症と成人T細胞白血病ウイルス感染 : 旧フィラリア流行地・現在の糞線虫流行地,鹿児島県喜界島における調査
- 虫垂より分離した緑膿菌のピオシン型別と血清型別
- 長崎県の2島におけるトキソプラスマ感染症に関する血清疫学的研究