<原著論文>個人書誌作成における文学館の役割 : 三浦綾子記念文学館を事例として
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概要
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近年,日本近代文学研究においては個人書誌が重要視される傾向が強まっている。そういった個人書誌に記述される書誌データには,編者が先行書誌を参考にしたもの,そして編者の独自調査によるもの,これら2種類があると考えられる。後者のような調査では,例えば文学館の建設に伴って死蔵されていた資料が公になったりすると,新たな書誌データが多数明らかにされることがある。また,文学館は資料の保存や公開の機能だけではなく,それの整理の際に個人書誌の作成を促す働きを持つ。それゆえに文学館は,個人書誌の作成に大きな貢献を果たしていると考えられる。 本稿は,4種類の個人書誌に収録された書誌データ数を分析し,それらと三浦綾子記念文学館との関連性を指摘することで,書誌作成と文学館との関係についてひとつの事例を提示するものである。 In recent years, research in modern Japanese literature has been enhanced by the existence of individual bibliographies. The data from individual bibliographies can come from two sources: it can be inherited from extant bibliographies or it can be newly appended as a result of an editor's investigations. New data may surface, for example, when a new literary museum is founded and material that was held in storage is finally re-examined by an editor. The function of the literary museums is not limited to preserving materials and making them available to the public, but also includes the creation of individual bibliographies. In this way, it can be seen that literary museums make a significant contribution to the domain of individual bibliographies. By analyzing the bibliographic data in four different types of individual bibliographies and showing the connection between that data and the MIURA AYAKO LITERATURE MUSEUM, the current paper seeks to outline the connections between literary museums and the creation of individual bibliographies.
- 2005-09-30
著者
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