マーケティング競争の性格
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概要
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堀田一善教授退任記念号本論文は,差別的優位競争として特徴づけられているマーケティング競争の競争の性格を吟味するものである。消費者個々人をカスタマイズしてマーケティングを行なうセグメントマーケティングや関係性マーケティングにもとづくマーケティング競争は,大量の同質的消費者の獲得をめざすマスマーケティングにおけるマーケティング競争と異なり,競合する競争相手との競争の性格を持たない。各企業は自己独自のターゲット市場を棲み分け,そこにおける消費者欲求に適合する個別的マーケティングへと変貌する。各企業の差別的優位を求める行為は競争相手との比較優位というよりも,消費者側からの選好にもとづく差別的差異によって意味づけられるものとなる。そこでは,差別的優位競争は虚構化され,まさに各企業は自己が適所とする市場を求めて「棲み分け競争」を展開することになる。
- 慶應義塾大学出版会の論文
著者
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