マーケティング実践における理論の役割 (清水猛教授退任記念号)
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概要
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清水猛教授退任記念号「マーケティング実践において理論は必要か否か」。これがこの論文で解明しようとした問題である。マーケティング実践は行為からなる。そこで「行為」を合理的に基礎づける「知識」の役割が問題とされる。知識が中枢機能を果たし,知識の制御によって行為は執行機能を営むという階層構造を持つことが示される。この構造はマーケティング実践においても変わらない。マーケティング管理者は知識にもとついてマーケティング行為を基礎づけ,その意思決定に従って下部が具体的実践を展開する構造となっている。マーケティング実践で用いられる実践的知識は,目的一手段関係の適合を定める道具的知識で,それには「主観的なもの」,「経験的なもの」,「形式的なもの」そして「科学的なもの」がある。「科学的なもの」とは理論の「真理性」に基礎を置く実践的知識であり,「応用科学」の知識である。合理的なマーケティング管理をなそうとするマーケティング管理者は,それを裏づける実践的知識を応用科学の論理に求め,理論に基礎を置く実践的知識をもってマーケティング実践を展開することを合理的とする。かくて,「マーケティング実践において理論は欠かせない」という結論が導かれる。
- 慶應義塾大学の論文
著者
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