ライン河上流のバイオ・クラスターにおけるガバナンス構造--コーシアン・イノベーションとイノベーション・ミックスの視点から
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概要
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堀田一善教授退任記念号取引費用の経済学のパラダイム問題は垂直統合の境界線を決定するという企業境界の問題から,取引費用の概念にケイパビリティーや資源の概念を加えて,企業集団やネットワーク,産業クラスターのガバナンスを問う問題群に移行してきた。本稿ではさらに取引費用を削減することで資源配分を左右する経済主体は,産業クラスターでは,企業家のみならず,政府(地方政府),非営利法人(NPO)でもあることを示し,彼らの貢献をコーシアン・イノベーション(Coaseaninnovation)と名付けている。最終的に,3つの種類のコーシアン・イノベーションを識別し,いわゆる企業家自身によるそれに加え,政府・地方政府による市場デザインとしての「イノベーション」,政府系NPO・業界団体による「イノベーション」を考え,もっとも有効なイノベーション・ミックスのデザインという地域経済のガバナンスにおける新たな視点の必要性を提案し,最終的に最適なイノベーション・ミックスという視点からの企業集団やネットワーク,産業クラスターのガバナンスの規律づけを提案している。
- 慶應義塾大学出版会の論文
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