繰り返す血痰を呈し,外科切除にて治療した肺放線菌症の1例

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
背景.肺放線菌症は,ヒトの口腔,膣,腸管などの常在菌を経気道的に吸入することにより発症する慢性化膿性感染症である.気管支鏡による菌同定は有用とされているが診断に難渋する症例も多い.今回,複数回の喀痰培養検査,気管支鏡検査によっても診断できず,外科的治療によって診断,治療を行った肺放線菌症の1例を経験した.症例.症例は56歳,男性.繰り返す血痰を認め,画像検査で左下肺野に浸潤影を認めたが,気管支鏡検査で診断がつかなかった.その後,陰影の増悪を認め,抗菌薬と抗真菌薬治療を行ったが血痰は増悪し,コントロール不良となった.確定診断と喀血コントロール目的にて,左肺切除術を施行し,肺放線菌症と診断した.その後,血痰の出現はない.結論.肺放線菌症は,被膜を形成すると気管支鏡検査でも菌塊を検出できず,診断に難渋することがあり,喀血の原因検索として同疾患を念頭においた鑑別検査が必要である.
日本呼吸器内視鏡学会の論文
2014-07-25

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク