地域在住自立高齢者の栄養状態の実態と関連要因の検討 : 口腔状態,食行動・食態度,食環境に着目して
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概要
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目的:地域在住自立高齢者の栄養状態の実態ならびに関連要因を明らかにし,地域在住自立高齢者の低栄養の一次予防に向けた実践の示唆を得ることである.方法:老人福祉センター利用中の65歳以上の介護保険非認定の地域在住自立高齢者296人を対象に面接調査と自記式質問紙を実施した.栄養状態については,Mini Nutrition Assessment Scale full versionにて把握し,基本属性,個人要因(口腔状態食行動・食態度),環境要因(食環境)との関連について重回帰分析を実施した.結果:地域高齢者の栄養状態は,低栄養2.7%,低栄養のおそれあり24.7%,栄養状態良好72.6%であり,「経済状態」(β=-0.15,p<0.05),「主観的健康感」(β=-0.16,p<0.05),食行動・食態度の「総括的評価」(β=0.23,p<0.001),「家庭での食物アクセス」(β=0.14,p<0.05),「人との共食」(β=0.18,p<0.05)におのおの有意な関連が認められた.すなわち栄養状態が良好であるほど経済状態にゆとりがあり,主観的健康感が高く,食行動・食態度の総括的評価が高く,家庭での食物アクセスならびに人との共食の食環境が良好であることが認められた.考察:地域高齢者の低栄養の一次予防に向けては,高齢者の栄養と食にかかわる個人要因ならびに環境要因に着眼した包括的な検討が必要である.
- 日本地域看護学会の論文
- 2013-11-30
著者
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