帯域外輻射電力制約下でのマルチキャリア信号のピーク振幅抑圧に関する検討(2)(無線通信のための信号処理及び一般)

概要

論文の詳細を見る
Orthogonal Frequency Division Multiplexing (OFDM)に代表されるマルチキャリア変調システムでは,送信信号のピーク対平均電力比(PAPR: Peak to Average Power Ratio)を低減することが課題の一つとなる.著者等は,帯域外漏洩電力および帯域内歪み電力を許容値以下に抑えながら,マルチキャリア信号のPAPRを自動的に低減させる適応ピークキャンセラを提案した.提案方式は,事前に生成した基本波を用いてピーク振幅値を模擬し,それを反復的に送信信号に繰り返し加算することでピーク振幅検出の閾値を超える送信信号振幅を打ち消すものである.また,ピーク電力の抑圧により生じる帯域外漏洩電力および帯域内歪み電力量を推定し,それらがシステムにおいて規定されている上限値以下となるように制御する.本論文では,提案方式を多値QAM-OFDM信号に適用し,その特性を評価する.また,提案方式においてピーク検出の閾値を自動的に決定する手法を提案する.帯域外漏洩電力と帯域内歪み電力の要求条件をそれぞれ満たしながら, QAM-OFDM信号の正規化瞬時電力値をCCDF=10^<-5>において,約3.8dB低減できることを計算機シミュレーションにより示した.
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2014-01-16