特別な保健医療ニーズをもつ在日外国人母子の保健福祉サービス活用にかかわる保健師の支援プロセスと影響要因
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概要
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目的:本研究の目的は,在日外国人Children with Special Health Care Needs(CSHCN;特別な保健医療ニーズをもつ児)に対する行政保健師の支援プロセスとその影響要因を明らかにすることである.方法:研究参加者は,愛知県で外国人登録者数の多い市の保健師13人である.データは半構成的面接で収集し,過去5年間にかかわった最も対応が困難であった事例について語っていただいた.分析は,事例ごとに保健師の支援内容からプロセスの段階を整理し,各段階の影響要因をカテゴリー化した.結果:CSHCNの出身国はブラジル,フィリピン,ペルーであった.CSHCNには,発達障害,先天性疾患,悪性腫瘍,脳性麻痺,低出生体重児とその合併症などが含まれた.保健師の支援プロセスは『対象把握のきっかけ』『対象の状況・ニーズの把握』『サービス利用の意向確認』『適切なサービスの検討・選択と導入に向けた準備』『サービス利用継続への支援』の5段階であった.またプロセスの影響要因は,【児】【養育者と家族】【民族コミュニティ】【日本人コミュニティ】【通訳】【関係機関との連携】【制度・システム】【保健師】の8カテゴリーに分類された.結論:在日外国人CSHCNに対する支援プロセスは,日本人CSHCNと類似するが,支援プロセスの影響要因には外国人に特徴的な要因が存在し,支援にあたっては,質の高い通訳確保や異文化理解に努め,外国人が利用しやすいサービスの拡大が望まれる.
- 2014-03-31
著者
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佐久間 清美
愛知県立大学看護学部
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古田 加代子
愛知県立大学看護学部
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柳澤 理子
愛知県立大学看護学部
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青山 京子
愛知県立大学看護学部
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国井 由生子
愛知県立大学看護学部
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石崎 美保
愛知県立大学看護学部
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元木 麻衣子
愛知県立大学大学院看護学研究科
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