日本の工作機械工業の発展状況 : 2003年〜2007年の好況期を中心に
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概要
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本研究は、2003 年〜2007 年の好況期における日本の工作機械工業の発展実態を明らかにしたものである。日本工作機械工業は、生産において世界トップの座を占めている。貿易は近年増加しつづけ、輸出額は世界2 位となっている。需要に関しては、2004 年から連続3 年世界2 位である。工作機械業界の特徴としては、専業メーカーのほとんどが中小企業であり、それ以外の企業は基本的に兼業メーカーである。工作機械生産は国内外両方の市場向けであり、内需は基本的に満たしている。各主要機種の生産を手がける上位3社の生産シェアは合計で50%以上あり、これらの企業は工作機械工業を支える主力メーカーと言える。そして、日本の得意とする製品分野は汎用NC 工作機械である。特にNC 旋盤とマシニングセンタ(MC)において強い国際競争力を持っている。生産では、2 機種の合計でNC 機の生産高の60%を占め、輸出では、2 機種はいずれも世界一のシェアを占めている。また、2007 年現在の現地生産状況としては、累計12 カ国・地域で日本の得意とするNC機を生産している。2000 年以降、工作機械の輸出と海外現地生産の重心は、アジアへ移っており、アジア地域はアメリカに取って代わり、日本の最大の輸出先となっている。今後、工作機械業界は、2008 年の世界的な金融危機による世界経済の減速からの影響を受けると予測されるが、それを克服し、世界規模の厳しい市場競争に勝ち抜くためには、これまで作り上げてきた企業の競争力を強化し、業界再編や海外戦略の展開による経営の健全化を図らなければならないであろう。
- 成美大学の論文
- 2009-03-31
著者
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