先天性視覚障害児の言語表出にみる既知の室内空間の空間認知について : 心的走査における参照枠の移動に着目して
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概要
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先天性視覚障害児7名を対象とし、既知の室内の空間認知をどのように成立させているか検討するため、対象物の配置等を言語表出するよう求めた。得られた内容とそれに基づき作成されたスケッチマップから、参照枠を心的に移動して説明する者と参照枠をある一点で固定して説明する者があった。参照枠の移動があった児童は、実空間での探索方略と同様の外部参照枠を用いた移動方略が認められ、多くの対象物を自己の身体軸や他の対象物を参照枠として、「前後左右」といった空間表現により表出し、複数の地点で対象物同士を関連づけた定位がみられた。一方、参照枠の移動が無かった児童は対象物の表出数が少なく、「近く・所」など相対的な距離表現でのみ説明する場合があった。先天性視覚障害児の中には、一望できる規模の空間においても心的に参照枠を移動させて空間を説明する場合があり、空間認知において外部参照枠を用いた参照枠の移動方略を有することの有効性が示唆された。
- 2014-03-31
著者
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